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農業共済新聞

就労支援を目標に療育推進

【2022年6月3週号】 鹿児島市郡山町でコマツナ25㌃を栽培する宇都裕一さん(39)。経営する宇都農園では、児童の発達を支援する特定非営利活動法人「たけのこキッズ」(坂上竜次代表)と連携し、食農体験を通した療育(発達支援)に取り組む。将来的に農業で就労支援ができればと一歩ずつ前進している。

子どもたちに寄り添った企画を

 農園では昨年、施設の子どもたちを対象に食農体験を始めた。コマツナの収穫体験をはじめ、料理体験、圃場でのどろんこ遊び、宝探しゲームなどを実施。農業をベースにした遊びを取り入れ、子どもたちが興味を持つ内容にしている。
(左写真:体験会の様子)

 
 「最初はコマツナに興味がなくても、うまく収穫できなくてもいい」と宇都さん。子どもたちのペースに合わせた活動を心掛ける。「収穫できたら次は袋に詰めたりと、子どもが成長することで、できることが徐々に増える。1回きりの体験会ではなく、定期的に実施することで、少しずつ農業を知ってもらえたらうれしい」と笑顔で話す。
 
 体験内容は、施設関係者と話し合い具体化していく。安全面に配慮し、体験会前は念入りに打ち合わせを重ね、当日は子ども1人につき保護者、保育士でサポートする。「信頼できる先生方と企画、運営ができることが非常に心強い」とほほ笑む。
 
 

体験会を機に感じた変化

 施設からの依頼で食農体験の受託を始めたという。農業資材の高騰や、新型コロナウイルス感染症の影響による市場価格の低迷、出荷先の受け入れ拒否などに悩まされていた。「やりがいを感じづらいことが続いていたが、体験会を通して自分たちも農業を心から楽しめるようになった」と話す。


(写真:教える際のポイントを説明する宇都さん)

 
 坂上代表は「子どもたちが『農業』というルールの中で自然にふれ、日常ではできない体験ができている。農業が大変な中、こうした機会を提供していただけて感謝している。今後も一緒に活動を続けていきたい」と期待を込める。
 
 宇都さんは「子どもたちの将来の選択肢に農業が入っていてくれたらうれしい。受託先を増やして、ゆくゆくは農業で就労支援ができたら」と夢は広がる。

 

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