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化学農薬、化肥を使わずにトマト  品質を最優先

【2022年6月3週号】霧島市隼人町で株式会社ピュアリティ&プライム(霧島ビオファーム)を営む杉山昇さん(64)は、化学農薬や化学肥料を使わずに30㌃でトマトを栽培。消費者に安全な野菜を届けている。

 
 同社は「生産効率や価格ではなく品質を最優先に、おいしいトマトを栽培したい」と2020年に設立。「食に安全・安心が求められる時代になる」と化学農薬、化学肥料を使わずに栽培し始めた。
(写真:トマトの状態を見る杉山さん) 

 

自然由来の肥料で土づくり、害虫には天敵を利用

 土作りに力を入れ、牛ふん堆肥やこうじ入りの肥料、カキ殻石灰を使用している杉山さん。「土作りはトマトを栽培する上で基本となる。自然由来のものを使用する以外は特別なことはしていない」
 
 また、化学農薬を使用していないため、病気や害虫の発生には細心の注意を払う。6千本以上ある苗を1本ずつ確認し、病害対策には自然由来の忌避剤を使うほか、害虫には天敵を利用し対処する。「天敵昆虫は田んぼで捕獲し、ハウスの中で飼育する場合もある。いずれも化学的な薬品と違い即効性は期待できないが」と話す。
 
 「雑草には一番手を焼いている」と杉山さん。除草は草刈り機や手作業で対応する。「通路には稲わらを敷き詰め、防草と保温の効果を得る工夫している。追肥や温度管理など、やることが多いが、手を掛けた分、質のいいトマトができる」と笑顔を見せる。
 
 

ストレス与えず 実を大きく甘く

 トマトにストレスを与えないよう、水の量や根の伸長を一切制限しない。苗は6㍍ほどまで伸び、実は大きく甘く育つようになった。「自然なおいしさを目指し、光合成を最大限まで促している。味が凝縮されていて、濃厚で滑らかな味わいが特徴。食べた人に懐かしさを感じてもらえたら」と話す。

 
 杉山さんの作るトマトは昔懐かしい味わいという意味を込めて「ビオレトロ」と名付け販売。売り上げは好調だという。「今後も引き続き安定経営を図りながら、1㌶を目標に規模を拡大したい。当面はトマト作りに専念し、ゆくゆくは麦や大豆など穀物の有機栽培にも挑戦したい。食料自給率の問題解決に貢献できたら」と先を見据える。

 

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