loader image

関係機関 NOSAI用語 お問い合わせ

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 農業共済新聞
  4. 出水地区牛削蹄師会 若手着々と成長

お知らせ一覧

農業共済新聞

出水地区牛削蹄師会 若手着々と成長

【2022年9月3週号】出水地区牛削蹄師会に所属し、JA鹿児島いずみの職員でもある瀬ノ口哲也さん(34)と森田考貴さん(33)は、出水中央家畜市場(出水市野田町)で開催された第35回鹿児島県牛削蹄競技大会(鹿児島県牛削蹄師会主催・宮瀬久志会長)に出場した。大会に出場して得た経験や思いを聞いた。

長島町・瀬ノ口哲也さん

無保定でも正確に

 長島町の瀬ノ口さんは、森田さんと二人三脚で業務内外問わず、出水地区管内の生産・肥育牛、子牛の削蹄を行っている。「牛のため、農家さんのために行う削蹄だが、競技として行うことで技術向上につながる」と県牛削蹄競技大会に参加した。
(写真:熱心に削蹄を行う瀬ノ口さん)
 

 森田さんと共に、出場するに当たり指導級削蹄師に技術を学んだ。「削蹄を専門的に行う方は弟子入りする場合が多く、師匠に知識や技術を教わっている。今回教わったのは1回だけだったが、学ぶことは多かった」と話す。教わった技術を普段の作業で実践し、技を磨いていった。
 
 大会では「牛にけがをさせないよう気を付けた」と瀬ノ口さん。目標としていた結果には届かなかったが、各地域の削蹄師の姿が刺激になったという。「自分たちには師匠がいないので、上手い人たちの技を直接見ることができ非常に勉強になった。無保定での削蹄の経験が少なく、思うような削蹄ができなかったので、次に向けて子牛には保定枠を使わずに削蹄するなど技術向上に取り組んでいきたい」と力を込める。
 
 さらに「営農指導員として、蹄病の予防など牛の健康維持のため、削蹄の重要性を農家さんに周知したい。また、削蹄師という仕事を多くの人に知ってもらい、若手の削蹄師が増えてほしい」と前を見据える。
 
 
 
出水市・森田考貴さん

まっすぐを信条に

 
 「大会に出場でき、削蹄のプロを見て学ぶ良い機会になった」と話す出水市高尾野町の森田さん。瀬ノ口さんと協力し、出水地区管内の牛の削蹄を年間800頭ほど行っている。自らの技術向上につなげたいと県牛削蹄競技大会に挑戦した。
(写真:慎重に削蹄を行う森田さん)

 
 日頃から過削に気を付けている森田さん。「過削による傷から違う病気になったり、運動機能に障害が出たりすることもある。大会でも慎重に作業することを意識した」と話す。
 
 大会では普段の削蹄と違い、牛を固定する保定枠がなく、手で蹄を持ち、削蹄していく。慣れない作業に苦戦したという。「想像していた以上に牛が暴れてしまい思うように削蹄鎌を動かせなかった。勉強不足を実感した」と話す。
 
 目標としていた結果には届かなかったが、新たな発見もあったという。「蹄底(ていてい)をまっすぐに切るのが理想なのでいつも意識して切っているが、なかなか難しい。上手い人が切った蹄を見ると、上から見ても持ち上げて見ても、驚くほどまっすぐできれいだった。これくらいでいいだろうは通用しないと実感した」と話す。
 
 今後も技に磨きをかけていく。「これからは大会も意識し、無保定で削蹄を行うことも取り入れたい。技術向上が牛、農家のためになれば」と話す。
 

 

農業共済新聞の購読はこちらから

関連記事

PAGE TOP