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農業共済新聞

完熟果を売りに販路拡大

【2023年3月3週号】「実家のイチゴを守りたいと思って始めました」と笑顔を見せるのは、鹿屋市笠之原町にある「Strawberry House彩」の前田彩花さん(29)。母と共にイチゴ約10㌃(ハウス3棟)を栽培する。規模縮小に伴い、販路を見直し、売り上げを徐々に伸ばしている。


▲「お客さんの反応がやりがいにつながっている」と彩花さん

売り方に工夫

 彩花さんが2015年に就農したのを機に作業負担を軽減させるため、ハウスを5棟から3棟へ減らした。「面積は減らしたが、売り方で工夫できないか」と個別販売へ切り替えた。両親の代からの常連客や交流サイト(SNS)などから評判が広まり、販路の拡大につながっている。

 
 個別販売の魅力は「顧客の反応が分かること」と説明する彩花さん。販売するイチゴは「さがほのか」と「恋みのり」の2品種で、どれもヘタぎりぎりまで赤く色づくように完熟させ、取引先のニーズに合った品種、サイズのものを納品する。見た目、味、色のすべてに納得したものを出荷しているという。

 
 
 「お客さんと直接やり取りできることが刺激になっている。取引先のお菓子屋さんではアートのようなキラキラしたお菓子に自分のイチゴが使われたことがあった。すてきな商品の一部を担えることがすごくうれしくて、栽培への意欲がさらに湧いた」と笑顔を見せる。

 

▲イチゴは完熟させてから出荷する

 

大事なものを後世に

 イチゴ農家の両親を見て育った彩花さん。「お客さんに『おいしい』と喜ばれている実家のイチゴを遺していきたい」と農業の道へ進んだ。北海道の農業関連学科のある短大へ進学し、卒業後は施設園芸が盛んなオランダで1年間研修を受けた。「家族経営と法人経営という対照的な経営体で学んだ。販売方法や雇用形態の違い、働き方などへの考え方は今に生きている」と話す。
 今後について「将来的には実家のイチゴに限らず、地域の大事なものを遺し後世につないでいけるような活動ができたら」と先を見据える。

 

 

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