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農業共済新聞

厳しい管理でパッションフルーツ 最高の品を届ける

【2022年11月3週号】「安全・安心なパッションフルーツを食べてもらいたい」と話す西之表市現和西俣で「さご農園」を営む鮫島繁樹さん(66)は、妻の和子さん(71)とパッションフルーツ約12㌃(ハウス5棟)を栽培。K-GAP(かごしまの農林水産物認証制度)認証以上の厳しい独自の基準で栽培に取り組み、安全な商品を消費者に提供している。


▲「妻と二人三脚で頑張っています」と繁樹さ
んと和子さん

地道に認知度向上へ

 繁樹さんは23歳で家業のタバコ栽培を継ぎ、経営を続けてきたが、20年前に知人のパッションフルーツ栽培を見て興味を持ったという。一から技術を教わりながらスタートし、2年後には経営を転換した。

 
 出荷先の当てもなく始めたため、知人を通じて東京の大田市場に卸していた繁樹さん。「マンゴーと抱き合わせで販売されていたので、知名度は低かった」と振り返る。
 当時は、パッションフルーツを青果用で販売する人がいなかったことから「梱包(こんぽう)用の箱などのデザインから考えたい」と、業者に作成を依頼。地元の物産館で販売を始めると好評で、供給が追い付かなくなったという。そのため、ハウスの棟数を増やしていった。
 
 規模拡大していく中で「より安全・安心を届けたい」と、2012年にK-GAP認証を取得。ガイドラインよりも厳しい基準を設け、管理を続けている。
 K-GAPでは規定内の農薬散布は認められているが、さご農園では栽培期間中は農薬を一切使用しない。また、病害虫のリスクを低減させるため、苗木は毎年植え替えている。
 
 

口コミで広まり島外にも固定客

 厳しい管理体制で栽培されたパッションフルーツは、6月下旬から8月上旬にかけて出荷される。「時期的にお中元として贈答用に頼まれる方が多い」と繁樹さん。今年の収穫量は2・8㌧だったという。
 例年、収穫物の9割は、JAやふるさと納税の返礼品、島内販売商品となる。このほか島外からのリピーターが多く、口コミで評判を集め、個人販売も好調だという。

 

▲おすすめの食べ方を書いたレシピを同梱する
工夫も

  
 「さまざまな苦労があったが、人とのつながりで乗り越えてきた。今の規模で安全・安心な栽培に取り組み、『甘くておいしい』商品を継続的に消費者に提供できれば」と笑顔で話す。
 
▽そのほかの経営規模=でんぷん用サツマイモ135㌃、サトウキビ70㌃

 

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