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第三者継承 家族のような信頼関係に

「2人には農業への熱意を感じる」と話す平原さん(中央)と北川さん夫妻

 【2025年8月4週号】「継承は農地を守る手段の一つ。家族のように信頼関係を築けたからこそ、安心して託せる」と話すのは、霧島市隼人町でショウガ40アールを栽培する平原正志さん(71)。農業経営の全てを北川慧さん(29)・沙恵子さん(27)夫妻に引き継ぐ。


 平原さんは2009年に市職員を退職して就農。父の営農を引き継ぎ、契約栽培でショウガの生産に取り組んできた。湿害や病害の管理が難しい作物の特性に合わせ、排水対策や防除などを徹底し、試行錯誤を重ねながら、部会内では収穫量・品質で上位の実績を維持してきた。


若手の前向きな姿勢に決意

 

 70歳での離農を見据え、19年に鹿児島県農業・農村振興協会の第三者継承制度に登録。「代々つないできた農地や設備を無駄にせず、意欲ある若者に引き継ぎたい」との思いで、5年間で5組と面談を重ねた。農業法人で経験を積み、営農に前向きな姿勢を持つ北川さん夫妻と出会い「2人なら」と継承を決意した。


 24年4月から1年間、研修生として受け入れた。日々の栽培管理に加え、作付計画の立て方や出荷調整、地域活動への関わり方など、経営全般を伝えた。平原さんは「ショウガは一つ一つの管理作業の積み重ねが結果につながる。素直な姿勢で真剣に学び続けた」と振り返る。


 慧さんは「地域に根差した農業を学び、経営全体を見渡す視点が持てたことで、農地を守る覚悟ができた」と話す。今年4月に独立し、10アール5トンを目標に据える他、ピーマンやスイートコーンなどの露地野菜との複合経営にも挑む。


 今作の収穫を終えると平原さんは離農し、営農は北川さん夫妻へ継承される。「2人に託すことができ、農業に未練はない」と言い切る平原さん。「いずれは『霧島のショウガといえば北川農園』と言われる存在になってほしい」とエールを送る。


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